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東京消防庁とは?仕事内容・年収・試験内容・難易度を徹底解説!

 

公務員のライトでは、日本トップレベルの「専門家集団」が、最新の公務員試験徹底分析し、公務員試験の対策方法をお伝えします。

このページでは東京消防庁の試験について解説します!

この記事を書いた人

公務員のライト専任講師

かず真先生(山崎和真)

  • 現在は、公務員のライト専任講師として、大学内公務員クラスを担当。

【東京消防庁とは】仕事内容・勤務地・消防学校

東京消防庁とは

東京消防庁とは、主に東京都全域を管轄し、火災・災害・救急などの対応を行う首都東京の消防機関消防機関です。特に東京23区を中心に活動していますが、多摩地域や島しょ地域も含めた広範囲を担当し、日本最大規模の消防機関として位置づけられています。 

東京消防庁の仕事内容

東京消防庁の仕事内容

東京消防庁の仕事を一言でいえば、都民の生命と財産を守る仕事です。具体的な業務内容は、火災や災害現場での消火・救助・救急活動にとどまらず、防火指導や防災訓練の実施、災害に備えた計画策定や地域への啓発活動など多岐にわたります。大規模災害時には首都圏全体の防災拠点としての役割も担います。

東京消防庁の勤務地・転勤エリア

東京消防庁の勤務地

東京消防庁に採用されると、原則として東京都内になる消防署や出張所、消防学校などの施設に配属されます。配属先は東京都全域(23区、多摩地域、島しょ地域)に及びますが、勤務地は東京消防庁の管轄内に限られます。

東京消防庁の消防学校

東京消防庁の消防学校

東京消防庁に採用されると、まず消防学校に入校し、約6か月間の初任教育を受けます。ここでは消防官として必要な知識・技術・体力を基礎から徹底的に身に付けます。消火・救助・救急活動の訓練に加え、防災や法令知識も学び、現場で即戦力となる力を養います。

東京消防庁の・給与・待遇・キャリアパス

東京消防庁の給与・年収

東京消防庁の平均年収はおおよそ782万円程度とされており、平均月額給与は49万円、平均ボーナス額は年間186万円となっています。基本給に加えて「地域手当」などが支給されるため、全国の消防本部と比べても高水準となっています。さらに、経験や勤務年数に応じて昇任試験を経て昇格し、将来的には管理職や専門職としてのキャリアアップも可能です。

東京消防庁の1年目の給与

東京消防庁の初任給

東京消防庁のキャリアパス

東京消防庁のキャリアパス

東京消防庁の消防官は、配属先や経験に応じて多様なキャリアを築くことができます。入庁後はまずポンプ隊で実務経験を積み、数年ごとに異動を重ねながら専門性を高めていきます。その後は、防災・査察・企画といった事務系部署や指揮隊などの管理部門、本庁での企画調査や外部機関への派遣研修など、幅広い業務を経験しながら昇任・キャリアアップが可能です。将来的には、救急隊長・本庁救急部・航空隊・総合指令室など、現場・本庁双方で活躍できる道が開かれています。

勤務時間・休暇

東京消防庁の勤務時間・休暇

東京消防庁では、交代制勤務勤務として消防署で働く消防官は3交代制という勤務体制を取っています。勤務時間は、8:30~翌日の8:40まで、21日を1サイクルとし、身体を休めながら勤務することができます。
年次有給休暇は年間20日付与され、夏期休暇やボランティア休暇、長期勤務休暇、結婚休暇などの特別休暇があります。

ワークライフバランス

2023年度の育児休業取得率
職種 男性 女性
東京消防庁 35.7% 88.6%
民間企業 30% 84%
2023年の年次有給休暇の取得状況
職種 1年間の取得日数
東京消防庁 14.9日
民間企業 11.0日

※育児取得率および年次有給休暇の取得状況における数値は、総務省および構成労働省の公表資料にもとづく。

東京消防庁は、特に「休暇」の取りやすさに力を入れています。育児休業制度は女性だけでなく、男性も多くの人が利用しています。また、年次有給休暇取得日数も公務員の中ではトップクラスに多くなっています。

東京消防庁になるには

東京消防庁の試験の流れ

東京消防庁の消防官になるには、まず、「東京消防庁の筆記試験」に合格する必要があります。そして、その後に筆記試験合格者を対象に実施される「人物・体力試験」で合格(内定)することで、就職先が決まることになります。

東京消防庁Ⅰ類(1回目)の試験概要

東京消防庁の試験

東京消防庁Ⅰ類(1回目)の試験は、大きく分けて2つに分けられています。 受験生は適性検査(SPI3-U)教養試験のどちらかを「選択」して受験することができます。

東京消防庁Ⅰ類(1回目)の試験日程

東京消防庁の試験日程 2025年
申込 2月21日 ~ 3月28日
1次試験日(筆記試験) 適性検査:4月8日~4月27日
教養試験:5月11日
1次合格発表日 6月5日
2次試験日(人物・体力) 6月14日・6月15日
6月21日・6月22日
6月28日・6月29日の
いずれか指定する日
最終合格発表日 7月16日

東京消防庁Ⅰ類(1回目)の試験日程は上の表のようになっています。春試験は4月~5月に筆記試験が、6月上旬から6月下旬かけて人物・体力試験があります。

適性検査と教養試験の試験日程はずれていますが、どちらか一方しか、受けることができません。

 

東京消防庁Ⅰ類(1回目)の試験内容・試験対策

東京消防庁の試験

東京消防庁の試験は、一次試験が「教養・適性検査」「論文」、二次試験が「身体・体力検査」「個別面接」となっています。

適性検査と教養試験は選択制ですが、論文試験は一次試験で全員が同じ内容を受験します。

【一次試験】教養試験(5択のマーク式)

東京消防庁の教養試験

東京消防庁の教養試験は、「120分」で「45問」を全て解答する「5択のマーク式」です。数的処理や文章理解のほか政治・経済・地理・生物など幅広い分野から出題されます。

特に数的処理と現代文が多く、全体の約48%(ほぼ半分)を占めています。そのため、数的処理の文章理解の対策から始めてみましょう。また、知識系科目は「政治・経済」「時事」「国語」の重要度が高いです。直前期には、こういった知識系科目の対策も大事にしていきましょう。

【一次試験】教養試験(出題例)

東京消防庁の試験出題例

こちらは東京消防庁Ⅰ類(第1回)の数的処理の出題例です。他の行政系試験と比べると、比較的難易度は易しい傾向にあります。基礎的な部分をしっかり対策することが合格へのポイントです。

【一次試験】適性検査(SPI3-U)

東京消防庁の適性検査(SPI3-U)

東京消防庁Ⅰ類(1回目)の適性検査(SPI3-U)は、「65分」で「テストセンター(リアル会場)もしくは自宅(オンライン会場)」で受験します。

2025年の適性検査は「4月8日~4月27日」の期間で実施され、この期間内であれば受験生の都合に合わせて受検できます。
また、教養試験当日(2025年は5月11日)は論文試験のみを受験すればよいため、短時間で試験が終了します。

 

【一次試験】論文試験

東京消防庁の論文試験とは

東京消防庁の論文試験

東京消防庁の論文試験は、「1時間」で「1題」を解答する仕組みです。
文字数制限は、600文字以上800文字程度です。

 

東京消防庁は人物評価を重視した試験を行っているため、論文試験の比重も高くなっています。志望度が高い方は、十分な時間を確保して、しっかりと論文対策を進めておくことが重要です。 [オススメ書籍]論文本はこちら

【二次試験】人物(口述)試験・身体・体力検査

東京消防庁の面接試験とは

東京消防庁の人物試験

東京消防庁の面接試験は、面接官3人によって15~20分程度で実施されるのが一般的です。主に職務適性を問う質問東京消防庁に関する知識学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)チームワークに関する経験などが質問されるのが特徴です。 

東京消防庁の面接カード(ES)とは

東京消防庁の面接カード・ES

東京消防庁の試験では、2月~3月の申込時に面接カードを提出(Web入力)する仕組みになっています。

東京消防庁の身体検査・体力検査とは

東京消防庁の身体検査・体力検査

東京消防庁では、消防官として任務を遂行するために必要な身体条件・体力・健康状態を確認する検査が行われます。

体力試験では、単に回数や記録の良し悪しだけでなく、礼儀や立ち振る舞いも評価の対象となります。さらに、周囲との協調性や集団行動における姿勢も重視されます。体力に自信がある人でも協調性を意識することが求められ、逆に体力に自信がない人でも、一生懸命に取り組む誠意ある姿勢が評価につながります。

個別面接の質問例

  • なぜ東京消防庁を志望したのですか?

  • 公務員の中でも、なぜ消防官を選んだのですか?

  • 東京消防庁について知っていることを教えてください。

  • 興味のある業務・やってみたい業務はありますか?
  • 学生時代やこれまでの経験で最も力を入れたこと(ガクチカ)は何ですか?

  • チームで活動する中で、意見が対立した経験はありますか? どう解決しましたか?

  • 併願状況と東京消防庁の志望順位を教えてください。

上記のように、東京消防庁では東京消防庁の志望度や知識、ガクチカやチームワークに関する質問が頻出となります。

 

東京消防庁の試験倍率・合格難易度

東京消防庁の試験倍率や筆記試験の合格ボーダー点について紹介していきます。

東京消防庁の試験倍率まとめ

東京消防庁Ⅰ類(1回目)試験実施結果
年度 区分 採用予定者数 一次受験者数 一次合格者数 一次倍率 二次受験者数 最終合格者数 二次倍率 最終倍率
2025年 適性検査 100 597 284 2.1 259 154 1.7 3.9
教養試験 200 2,309 978 2.4 887 562 1.6 4.1
2024年 適性検査 100 589 292 2.0 266 141 1.9 4.2
教養試験 250 2,376 965 2.5 878 428 2.1 5.6
2023年 教養試験 310 2,473 1,295 1.9 1,203 790 1.5 3.1
2022年 教養試験 230 3,356 1,067 3.1 916 364 2.5 9.2

近年、東京消防庁の試験は、適性検査の場合、筆記倍率が2.0~2.1倍最終倍率(実質倍率)が4倍程度となっています。教養試験の場合、筆記倍率が2.4~2.5倍最終倍率(実質倍率)が4倍~5倍程度となっています。

東京消防庁(教養試験)の筆記合格ボーダー点

東京消防庁のボーダー点

東京消防庁は、教養と論文試験の成績を総合して、一次試験の合否を決めています。
2025年の実施結果について、公務員のライトのボーダーアンケートでは、教養45点満点のうち、18点の方から合格の報告がありました。

東京消防庁合格のコツ

東京消防庁合格のコツ

満点を狙う必要はない

【目標の点】

  • 教養:22点
  • 論文:高評価
  • 面接:高評価

択一の試験(教養)は、合計して6~7割くらいを目標にしていきましょう。論文や面接でいい評価がもらえたら、上位の合格が狙えるので、この辺を目標にしてきましょう。

基礎を固めたら過去問演習を進めよう

東京消防庁の過去問

東京消防庁の試験問題は、出題傾向に癖があり、過去問の焼きまわしのような問題(リメイク問題)がよく出てきます。マーク式の試験なので、学問として理解を深める必要はありません。正解の肢を絞ることができればよいので、基礎がある程度、固まったら、どんどん過去問を解いていきましょう。

最重要なのは面接・論文

東京消防庁の説明会

特に東京消防庁の採用試験では、面接や論文の対策が非常に重要です。日頃の学校生活やアルバイト、サークル活動などにしっかり取り組みながら、説明会や職場見学会などのイベントにも積極的に参加することが大切です。また、常に消防官としての意識を持ち自覚責任を持って準備を進めましょう。

東京消防庁職員になるためにオススメの講座

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