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【2026年】人事院勧告のポイントを解説|国家公務員の初任給9,500円引上げ・ボーナス4.70月分へ

こんにちは。公務員のライト専任講師のましゅーです。

2026年8月7日に人事院が出した給与などの勧告について、10月9日、政府が勧告どおり実施することを閣議決定しました。

そこでこの記事では、決定の内容と、初任給9,500円の引上げをはじめとする改定の中身を、原文をもとに解説していきます。

この記事を書いた人

公務員のライト専任講師

ましゅー先生(望月真修)

  • 膨大な試験データを元に出題傾向・ボーダー予想を行う

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人事院勧告の基礎知識

人事院勧告が国家公務員の給与に反映されるまでの流れ

人事院勧告とは、国家公務員の給与を民間の水準に合わせるよう、人事院が国会と内閣に求める申し入れのことです。

例年8月に公表され、公務員志望の方にとっては将来の給与を左右する最も重要な発表です。

ましゅー先生
まずは「なぜ人事院が給与を決めるのか」から押さえておくと、勧告のニュースがぐっと読みやすくなります。

人事院勧告が行われる理由

国家公務員は、その地位の特殊性と職務の公共性から、ストライキなどの労働基本権が制約されています。

そのため、職員団体と交渉することはできても、民間企業のように労働協約を結んで給与を決めることができません。人事院勧告は、この制約を埋め合わせる「代償措置」として設けられた仕組みです。人事院が中立な立場で民間の給与を調べ、それに合わせるよう勧告します。

勧告から給与に反映されるまでの流れ

  • 人事院が民間企業約10,100事業所を対象に調査し、公務員給与と比較する
  • 差額をもとに、人事院が国会と内閣に勧告を行う(2026年は8月7日)
  • 内閣が勧告の取扱いを決定する(2026年は10月9日に決定)
  • 国会で給与法(一般職の職員の給与に関する法律)が改正される(2026年は10月9日に改正法案を閣議決定)
  • 改正された内容で、実際の給与に反映される

勧告はあくまで申し入れであり、そのまま自動的に給与が変わるわけではありません。国会で法律が改正されて、はじめて実際の給与に反映されます。

地方公務員の給与への影響

地方公務員の給与は、国の職員の給与などの事情を考慮して定めます(地方公務員法第24条)。そのため、多くの自治体が人事院勧告を参考にしています。

都道府県と政令指定都市には、人事委員会(自治体版の人事院にあたる組織です)が置かれています。特別区や人口15万人以上の市にも置かれている場合があります。人事委員会は毎年少なくとも1回、給料表について議会と長に報告します。あわせて勧告を行うこともできます(同法第26条)。

ましゅー先生
地方志望の方も「自分には関係ない」と読み飛ばさないでください。秋の各自治体の勧告にしっかり影響します。

【続報】2026年10月9日の閣議決定

日付 出来事
2026年8月7日 人事院が国会と内閣に、給与の改定などを勧告
2026年10月9日 政府が給与関係閣僚会議と閣議で、勧告どおり実施することを決定
2026年10月9日 給与法などの改正法案を閣議決定し、国会に提出
今後 国会で改正法が成立・公布されたあと、改定後の給与が支給される

※ 2026年10月10日時点の情報です。

政府は2026年10月9日、8月の人事院勧告を勧告どおり実施することを閣議決定しました。月給とボーナスがそろって引き上げられるのは、これで5年連続です。

ましゅー先生
閣議決定とは、すべての大臣の合意で決める政府の正式な決定のことです。勧告が出ただけの段階から一歩進みました。次は国会での法改正で、成立・公布されれば4月分からの月給の差額が支給されます。

閣議決定の内容

  • 一般職の国家公務員の給与は、8月7日の人事院勧告どおりに改定する
  • 年次無給休暇(事由を問わない無給の休暇)や時間単位の代休制度の新設などを、勧告どおり2027年度に行う
  • 特別職の国家公務員の給与も、同じ趣旨で取り扱う
  • 地方公務員の給与は、各自治体が地方公務員法の趣旨に沿って対応するよう要請する

給与だけでなく、休暇制度の見直しも勧告どおり進めることが決まりました。

給与に反映される時期

実際に給与が上がるのは、国会で改正法が成立・公布されてからです。

月給の改定は2026年4月にさかのぼって適用されるため、4月以降の差額は改正法の施行後にまとめて支給されます。ボーナスの引上げは12月期分からです。

2026年勧告の全体像

4つの柱 キーワード 主な内容
実力本位で活躍できる公務 幹部職員の人事制度 本府省の次官級から課長級を対象に、職務・職責を重視した新しい俸給表を設ける骨格を提示
働きやすさと成長が両立する公務 転勤手当・休暇 転居を伴う転勤への手当を新設し、事由を問わない年7日の無給休暇を導入
誰もが挑戦できる開かれた公務 採用試験の見直し 採用試験にCBT方式を段階的に導入し、技術系人材の採用ルートを拡大
高い使命感とやりがいを持って働ける公務 公務のブランディング 「国のミライをつくる、唯一無二の挑戦がある」を柱に、高校生・大学1、2年生への発信を強化

※ 2026年8月7日の人事院勧告の内容です。

人事院が示した人事制度の改革は、この4つの柱で構成されています。給与の引上げだけでなく、働き方と採用試験の見直しまで幅広く踏み込んだ内容です。

ましゅー先生
受験生の皆さんに直結するのは、2つ目の「働きやすさ」と3つ目の「採用試験の見直し」です。

勧告・報告・意見の申出の違い

種類 内容
勧告 給与の改定と、勤務時間・休暇の改定(法改正に直結する強い位置づけ)
報告 人事管理の方向性や、給与の実態分析を示したもの
意見の申出 国家公務員災害補償法の改正を求めたもの

※ 2026年8月7日の人事院の発表の内容です。

今回の発表は、「勧告」「報告」「意見の申出」の3種類で構成されています。

給与の改定内容

2026年人事院勧告による初任給の引上げ額

2026年4月時点の調査で、国家公務員の月例給は民間より1人あたり平均15,056円(3.51%)低いと分かりました。

この差を埋めるため、2026年4月にさかのぼって給与を引き上げる内容になっています。さかのぼって実施するというのは、法律の改正後に差額がまとめて支給されるという意味です。

官民較差と平均改定率

項目 内容
官民較差 15,056円(3.51%) 国家公務員が民間を下回る
平均改定率 行政職俸給表(一)で3.3%
定期昇給を含めた改善 モデル試算で月収約4.9%の改善
実施時期 2026年4月にさかのぼって実施
比較の方法 2026年4月分の給与を、民間約10,100事業所を対象とした調査の結果と比較

※ 行政職俸給表(一)とは、本府省や出先機関で事務を担当する職員に適用される、国家公務員の基本となる給与表です。/※ 官民較差は「平均給与月額」どうしの比較です。俸給に地域手当・扶養手当・住居手当などを加えた額で、残業代と通勤手当は含みません。/※ 調査は民間約10,100事業所を対象に行われ、8,144事業所で完了しています(調査完了率82.5%)。

行政職俸給表(一)の平均改定率は3.3%です。毎年の定期昇給分を加えると、月収ベースで約4.9%の改善になると試算されています。

初任給の引上げ額

試験区分 現行 改定後 引上げ額 引上げ率
総合職試験(大卒程度) 242,000円 251,500円 9,500円 +3.9%
一般職試験(大卒程度) 232,000円 241,500円 9,500円 +4.1%
一般職試験(高卒者) 200,300円 209,800円 9,500円 +4.7%

※ 現行額は2025年の人事院勧告による額です。/※ 金額は行政職俸給表(一)の俸給月額(民間でいう基本給にあたります)で、地域手当などの各種手当は含みません。

初任給は、総合職試験・一般職試験のいずれも一律9,500円の引上げです。引上げ率で見ると、もともとの額が低い高卒者区分がいちばん大きく伸びています。

1年目の給与の例(月額)

基本給と手当の例 現行 改定後
基本給(国家一般職・大卒程度) 23万2,000円 24万1,500円
地域手当(12%の地域に勤務した場合) +2万7,840円 +2万8,980円
住居手当 +2万8,000円 +2万8,000円
通勤手当 +1万円 +1万円
超過勤務手当(残業月15時間) +2万9,014円 +3万202円
支給額(合計・月額) 約32万6,854円 約33万8,682円

※ 勧告どおり実施された場合の、公務員のライトによる試算です。地域手当12%の地域に勤務し、住居手当を上限額(家賃6万1,000円以上の場合)で受けたと想定しています。/※ 超過勤務手当は「(俸給+地域手当)×12÷(38.75×52)×1.25×15時間」で算出しました。俸給が上がると単価も上がるため、改定後は現行より増えます。/※ 通勤手当は分かりやすさを優先した概算です。実際の額は勤務地・通勤距離・残業時間によって変わります。/※ 税金と社会保険料が引かれる前の額面です。

同じ条件で比べると、1年目の月の支給額は約1万1,828円の増加になります。

基本給が上がると、それに連動する地域手当・超過勤務手当・ボーナスも一緒に増えます。そのため、実際の支給額への影響は9,500円よりも大きくなります。

ましゅー先生
初任給の引上げは「基本給だけの話」ではありません。手当とボーナスに波及するところがポイントです。

ボーナスの引上げ

項目 内容
現行の年間支給月数 4.65月分
改定後の年間支給月数 4.70月分
引上げ幅 0.05月分
配分 期末手当と勤勉手当に均等に配分
2026年度の扱い 12月期の期末手当・勤勉手当を引上げ
2027年度以降 6月期と12月期が均等になるよう設定

※ 期末手当は在職期間に応じて支給される部分、勤勉手当は勤務成績に応じて支給される部分です。2つを合わせたものが、いわゆるボーナスにあたります。/※ 2026年8月7日の人事院勧告の内容です。

民間企業のボーナスが年4.72月分だったのに対し、国家公務員は4.65月分で0.07月分下回っていました。この差を縮めるため、0.05月単位の改定ルールに沿って引き上げられます。

職務の級ごとの改定率

職務の級 職員のイメージ 平均改定率
1級 主任級以下(採用直後の職員) 4.0%
2級 主任級以下 3.6%
3級 係長級 3.4%
4級 係長級 3.1%
5級〜10級 課長補佐級以上 3.0%

※ 職員のイメージは、今回の勧告の別表第5で示された役職段階(主任級以下=1・2級、係長級=3・4級、課長補佐級=5・6級)に基づく区分です。実際の職名は府省によって異なります。/※ 改定率は行政職俸給表(一)のものです。

初任給の引上げを反映して、採用直後の1級が最も高い4.0%となっています。あわせて、中堅層以上にあたる級についても2025年の改定を上回る引上げが行われます。

ましゅー先生
若手だけでなく、中堅以上の職員の給与にも手を入れたのが2026年勧告の特徴です。

再任用職員の給与改善

定年前再任用短時間勤務職員などの月給についても、行政職俸給表(一)で平均8.5%という大きな改定が行われます。

民間のフルタイム再雇用者と比べたときに、公務のほうが低い水準にあったことが理由です。

年収モデル

国家公務員のボーナスの推移(2022年度から2026年度)

ここまでの改定を踏まえて、年齢ごとに年収がどのくらいになるのかを見ていきます。

国家公務員の年収は、毎月の給与を12か月分に、年2回のボーナスを足したものが基本になります。

ましゅー先生
月給だけを見るより、ボーナスまで含めた年収で考えたほうが実感に近くなります。

年齢別の年収モデル

年齢 役職 月収 ボーナス 年収
18歳 係員(高卒) 299,214円 1,104,387円 約469万円
22歳 係員(大卒) 338,682円 1,271,256円 約534万円
35歳 係長 427,704円 1,779,758円 約691万円
40歳 係長 452,107円 1,882,933円 約731万円
50歳 課長 533,600円 2,460,920円 約886万円

※ 2026年の勧告どおり実施された場合の、公務員のライトによる試算です。/※ 俸給の額は人事院「国家公務員モデル給与例」の地方機関の勧告後の額を使い、そこに各種手当を加えています。50歳(課長)の額には俸給の特別調整額46,300円を含みます。/※ 地域手当は12%(3級地)、通勤手当は月1万円、超過勤務は月15時間と仮定しています。/※ 扶養手当は18歳・22歳が扶養親族なし、35歳以上が子2人(1人13,000円)と仮定しています。/※ 住居手当は18歳・22歳が借家で上限額の28,000円、35歳以上は持ち家で支給なしと仮定しています。/※ 課長は管理職のため超過勤務手当を含めていません。/※ ボーナスは年4.70月分で計算しています。役職段階別加算額・管理職加算額・勤勉手当の成績率は含めていないため、実際はこれより多くなる場合があります。

同じ条件でならすと、1年目にあたる22歳で年収は約534万円、50歳の課長では約886万円という水準になります。

年収は俸給だけで決まるわけではありません。どの地域に勤務するか、扶養する家族がいるか、持ち家か借家かで、同じ年齢でも金額はかなり変わります。

ましゅー先生
手当の前提が変わると年収も動きます。あくまで一つの例として、目安の掴み方を覚えてください。

ボーナスの推移

年度 支給月数 夏(6月期) 冬(12月期) 年間合計
2026年度 4.70月 約73.9万円 約78万円前後(見込み) 約152万円(見込み)
2025年度 4.65月 約70.7万円 約74.6万円 約145.3万円
2024年度 4.60月 約65.9万円 約72.2万円 約138.1万円
2023年度 4.50月 約63.7万円 約67.4万円 約131.1万円
2022年度 4.40月 約58.5万円 約65.2万円 約123.7万円

※ 金額は管理職を除く一般行政職職員の平均支給額です(内閣人事局の公表による)。支給月数は人事院勧告によるものです。/※ 2024年度の冬は、給与法の改正が支給日に間に合わなかったため、12月の支給時点では約65.3万円でした。後日の追加支給を含めた額が約72.2万円です。/※ 2026年度の冬と年間合計は見込みです(政府は2026年10月9日に勧告どおりの実施を決定していますが、給与法の改正前のため)。確定後に更新します。

ボーナスの支給月数は、2021年度の4.30月から、2026年度で5年連続の引上げです。金額で見ると、2022年度の約123.7万円から2026年度は約152万円と、4年で28万円ほど増える見込みです。

ましゅー先生
支給月数が上がり続けているのは、民間の賃上げがそのまま反映されているためです。

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新設・拡充される手当

転居に関する手当の新設

項目 内容
支給の対象 異動前の住居から60km以上離れた官署へ異動して転居し、かつ引っ越し前後の住居の間の距離も60km以上ある職員
単身赴任かどうか 問わない(家族で引っ越した場合も対象)
支給額の例 東京から大阪への異動で年額約22万円(単身赴任者は約49万円)
支給期間 異動から3年間(単身赴任者はやむを得ない場合に延長可)
実施時期 2027年4月

※ 単身赴任者には、これとは別に二重生活の生計費を補助する基礎額(年間36万円)が支給されます。/※ 2026年8月7日の人事院勧告の内容です。

これまで転勤の負担を軽減する手当は、単身赴任手当が中心でした。今回の勧告では、単身赴任手当の加算額を組み替えるかたちで、家族で引っ越した職員も対象になる手当が新しくつくられます。

ましゅー先生
転勤を避けたい人が増えている状況への対応です。国家公務員志望の方は押さえておきましょう。

広域異動手当の引上げ

異動の距離 現行 改定後
60km以上300km未満 5% 8%
300km以上 10% 16%

※ 広域異動手当とは、遠方への異動を行った職員に対し、俸給などに一定の割合を掛けて支給される手当です。/※ 2026年4月1日以降に受給対象となる全ての職員が対象です。/※ 地域手当が支給される地域では、広域異動手当の割合から地域手当の割合が差し引かれます。地域手当12%の地域なら、16%-12%で4%となります。

300km以上の異動では、支給割合が10%から16%へと大きく引き上げられます。転勤の距離が長いほど手当が手厚くなる仕組みです。

特地勤務手当に準ずる手当の拡大

へき地など生活が不便な場所にある官署へ転居して勤務する職員について、手当の支給対象となる官署の範囲が広がります。

これまでは近くに公共施設があると対象外でしたが、今後は周辺の生活環境にかかわらず支給対象になるよう基準が見直されます。実施は2027年4月の予定です。

働き方と休暇の見直し

2026年人事院勧告による働き方の見直し3点と実施時期

給与だけでなく、事由を問わない年7日の無給休暇の新設をはじめ、休暇制度と働き方についても大きな見直しが盛り込まれました。

このうち休暇と勤務時間に関する見直しは、2027年4月からの実施が予定されています。

事由を問わない無給休暇の新設

項目 内容
日数 年7日
取得の事由 問わない(育児・介護に限らず利用できる)。ただし取得の時期は各省各庁の長の承認が必要
給与の取扱い 無給(休んだ分の給与は支給されない)
取得の単位 1日単位・時間単位のどちらも可
対象者 全ての職員
実施時期 2027年4月

※ 2026年8月7日の人事院勧告の内容です。政府は2026年10月9日に、勧告どおり2027年度に実施することを決定しています。

既存の休暇を使い切ってしまった場合の、いわば「予備の休暇」にあたる制度です。時間単位で取れば、一定期間だけ短時間勤務のような働き方もできます。

人事院は、時間単位の活用例として、いわゆる小1の壁や妊娠初期・後期の体調変化を挙げています。小1の壁とは、子どもの小学校入学に伴って仕事と育児の両立が難しくなることです。日単位では、介護に至る前の親の体調変化や、災害で住居が壊れたときの対応が挙げられています。

ましゅー先生
「事由を問わない」のが大きなポイントです。理由を説明せずに申請できますが、承認自体は必要になります。

フレックスタイム制と代休日の見直し

  • フレックスタイム制(職員の申告をもとに日ごとの勤務時間を割り振る仕組みです)で、1日の最短勤務時間を見直す
  • 各府省の判断でコアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯です)を設定しないことも可能にする
  • 休日に勤務した場合の代休日を、勤務が1日に満たなくても指定できるようにする
  • 週休日に勤務した場合の振替等を、勤務が1日または4時間に満たなくても指定できるようにする

これまでは、休日勤務が1日に満たないと代休日を取れませんでした。今後は働いた時間と同じだけ休めるようになります。

超過勤務の縮減とハラスメント対策

長時間労働が生じている職場への支援として、月100時間などの上限を超える超過勤務を減らすための伴走支援が行われています。この取組は2025年度に始まり、2026年度から対象の府省が広げられています。

あわせて、いわゆるカスタマー・ハラスメント(利用者や取引先からの著しい迷惑行為のことです)への対策も進められます。人事院は2026年4月に防止措置に関する規則を定めており、2026年10月の施行に向けて各府省を支援しています。

遺族補償年金の受給資格要件の撤廃

公務災害(仕事が原因のけがや病気)で職員が亡くなった場合の遺族補償年金が対象です。配偶者が夫である場合にのみ課せられていた受給資格の要件が撤廃されます。

これは勧告ではなく「意見の申出」という形で示されたもので、2027年4月の施行が予定されています。

採用試験の見直し

CBT方式の導入スケジュール

受験生の皆さんに最も関わるのが、この採用試験の見直しです。最大のポイントは、CBT方式の段階的な導入になります。

CBT方式とは、会場のパソコンで受ける試験のことです。受験会場と受験日を一定の範囲で選べるようになります。

ましゅー先生
受験日を選べるというのは、併願計画の立て方が変わるくらい大きな変化です。

CBT方式の導入スケジュール

実施時期 対象となる試験 位置づけ
2027年度 経験者採用試験の基礎能力試験 導入
2028年秋 総合職試験(教養区分)の基礎能力試験 導入を目指す
2029年春 総合職試験(全区分)の基礎能力試験 導入を目指す

※ 2027年度の経験者採用試験の実施方法は、2026年度中に公表される予定です。/※ 2028年秋以降の導入は、経験者採用試験の実施状況を検証したうえで進められます。

まず2027年度の経験者採用試験に導入され、そこでの結果を検証したうえで、総合職試験へ広げていく流れです。専門試験など基礎能力試験以外の科目についても見直しが予定されています。

ましゅー先生
スケジュールが公表されているので、自分の受験年度がどこに当たるかを確認しておきましょう。

技術系人材の採用ルート拡大

技術系の職種では一般職試験の申込者数の減少が続き、合格者数が採用予定者数を下回る区分もあるという状況が報告されています。

そこで、特定の資格を持つ人を試験によらず係員級に採用できる範囲を広げる方向で、2026年度中に制度改正が行われます。技術系を目指している方にとっては、試験以外のルートが広がる動きです。

専門人材・アルムナイ人材の採用推進

民間の専門人材や、アルムナイ人材の採用を進める方針も示されました。アルムナイ人材とは、いったん公務を離れて戻ってくる人のことです。

専門人材の情報を集めた「人材プール」を2026年度中に整備し、各府省と採用候補者をつなぐ仕組みがつくられます。社会人経験を活かして公務員を目指す方にとっては、入口が広がる動きです。

受験者の経済的な負担の軽減

2026年度の官庁訪問では、地方在住者の負担を軽くするため、より安価な宿泊施設の案内が行われました。

また、採用予定者が内定式などに出席するための交通費を、一定の条件のもとで支給できることが全府省に周知されています。

これから受験する方の対策方法

公務員まるごと合格クラス

2026年人事院勧告のまとめ

  • 2026年10月9日、政府が勧告どおり実施することを閣議決定し、同じ日に給与法などの改正法案を国会に提出した
  • 官民較差は15,056円(3.51%)で、2026年4月にさかのぼって給与が引き上げられる
  • 初任給は総合職・一般職ともに9,500円の引上げで、一般職(大卒程度)は241,500円になる
  • ボーナスは年4.65月分から4.70月分へ、0.05月分引き上げられる
  • 転居を伴う転勤への手当が新設され、広域異動手当の支給割合も引き上げられる
  • 事由を問わない年7日の無給休暇が新設される(2027年4月から)
  • CBT方式が2027年度の経験者採用試験に導入される
  • CBT方式は2028年秋に総合職試験(教養区分)、2029年春に全区分へ広げることが目指されている

2026年の勧告は、民間企業の賃上げを反映して2025年に並ぶ高水準の引上げとなり、政府も勧告どおりの実施を決めました。給与だけでなく、働き方と採用試験の両方に踏み込んだ内容です。

公務員を目指す皆さんにとっては、待遇面の追い風が続いていると言えます。

ましゅー先生
制度は毎年変わります。最新の情報を追いながら、目の前の対策を着実に進めていきましょう。
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※ 出典:内閣官房「公務員の給与改定に関する取扱いについて」(2026年10月9日閣議決定)/内閣官房「内閣官房長官談話」(2026年10月9日)/内閣官房「一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の概要」(2026年10月9日国会提出)/首相官邸「定例閣議案件」(2026年10月9日)/人事院「人事院勧告」(2026年8月7日)/人事院「人事院総裁談話」(2026年8月7日)/人事院「人事院勧告・報告の概要」(2026年8月7日)/人事院「人事院勧告・報告の概要」(2025年8月・現行の初任給額)/一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)/一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成6年法律第33号)/人事院規則九―九七/地方公務員法(昭和25年法律第261号)。「1年目の給与の例」は上記法令に基づく公務員のライトの試算です。