こんにちは。公務員のライト専任講師の横溝です。
受験生から「国家一般職の日本史は、いまの試験でどこまで勉強すればよいのか」という問い合わせが多くあります。
そこでこの記事では、2024年度からの新しい試験の問題をもとに、国家一般職の日本史の出方と対策の優先順位まで徹底解説していきます。
この記事を書いた人

公務員のライト専任講師
よこみぞ先生(横溝涼)
国家一般職の日本史の出題数
国家一般職(大卒程度)の基礎能力試験は、2024年度から30題・1時間50分になりました。知識分野は6題で、そのうちNo.25〜No.29の5題が「自然・人文・社会に関する時事」、No.30が情報の問題です。
2023年度までは毎年1問(No.34)、日本史だけの問題がありましたが、2024年度からは日本史だけの問題はありません。時事の5題の選択肢の中で、日本史の知識が問われます。
この記事では、この時事の選択肢に出る日本史を見ていきます。
先に結論を言うと、江戸から昭和までの流れと文化史を押さえ、ニュースと結びつけて覚えるのが近道です。
- 国家一般職の日本史の特徴と問われ方(例題つき)
- 2024年度からの出題分析(時事の選択肢の科目と時代)
- 勉強方法・対策の優先順位とおすすめ教材

国家一般職の日本史の特徴・問われ方
国家一般職の「自然・人文・社会に関する時事」の問題は、時事のニュースを書いた選択肢の後半に、そのニュースにまつわる歴史が続く形です。前半のニュースが正しくても、後半の日本史で誤りが作られている選択肢が多くあります。
2024年度のNo.27では、5つの選択肢のうち3つが日本史を中心に問う選択肢で、残る2つにも日本史が出ています。文化史(絵画・建築・芸能)の知識も、選択肢の後半によく出ています。

国家一般職の日本史の例題
実際の過去問で確かめてみましょう。日本史が中心の選択肢だけを先に表示しています。ほかの選択肢と正答・解説は、折りたたみを開くと見られます。
- 2023年、G7サミットが広島で、G20サミットが伊勢志摩で開催された。G7サミットでは、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日し、国際情勢などが議論された。G20サミットでは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持し、強化すると明記した首脳宣言が発表された。G7サミットの首脳が訪問した厳島神社(宮島)は、鎌倉時代、蒙古襲来(元寇)に対する戦勝祈願のため北条政子によって造営されたものである。
- 沖縄にはかつて中継貿易を盛んに行っていた琉球王国があり、日本政府は、明治時代に沖縄県を設置した。その後、第二次世界大戦中に米軍が沖縄に上陸し、沖縄は、戦後のサンフランシスコ平和条約調印後も米国の施政権下に置かれたが、1972年に日本に復帰した。2022年、沖縄は復帰から50年を迎え、沖縄と東京の2会場を中継で結んで沖縄復帰50周年記念式典が開催された。
- 日本国際博覧会(大阪・関西万博)は、カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業時期に合わせて、2025年に大阪湾の埋立地で開催予定であり、「未来社会の実験場」として「空飛ぶクルマ」の商用飛行などが計画されている。日本初の「万博」である日本万国博覧会は、1960年代に、東京オリンピック開催直前に愛知で開催され、そのシンボルタワーは、岡倉天心制作の「太陽の塔」であった。
▼ ほかの選択肢と正答・解説を見る(タップで開きます)
- クールジャパンとは、外国人が「クール(かっこいい)」と捉えるマンガ・アニメを発信源として、インバウンド需要の拡大を目指すものである。その一環として、2023年、コミックマーケット(「コミケ102・103」)を福岡で、ジャパン・エキスポ(第22回Japan Expo)を札幌で開催し、多くの外国人観光客が会場を訪れた。このように注目を集めている日本のマンガの原点は、その描写と風刺性から、明治時代に雪舟が描いた屏風絵の「鳥獣人物戯画」であるとされている。
- 関東大震災は、ユーラシアプレートの内部で発生したプレート内地震により、関東平野北部を中心に甚大な被害をもたらした災害である。2023年は関東大震災から100年の節目で、「関東大震災100年」をテーマとするイベントが各地で開催された。関東大震災が起きた1923年には、明治天皇の暗殺を計画したとして、吉野作造、内村鑑三らが検挙される大逆事件が起きた。
▼ ほかの例題を見る(2025年度)(タップで開きます)
- 令和5(2023)年1月、奈良県の大仙陵古墳から、国内では例のない丸型の銅鏡や、蛇のように曲がった国内最小の蛇行剣が出土した。鏡、剣ともに古墳研究史上の画期的な発見とされている。古墳時代には、ヤマト政権の女王卑弥呼を頂点として、各地の豪族がその統治を支える体制が確立された。豪族は姓と呼ばれる政治的な集団を組織し、姓には政権内での地位を表す氏が付与された。
- 令和5(2023)年9月、江戸時代後期に農業用水を送るために建設された、熊本県の「通潤橋」が国宝に指定された。国宝に指定されている他の江戸時代の建造物には、徳川家康の霊廟である栃木県の日光東照宮の陽明門や、岡山藩主によって創建された教育機関である岡山県の閑谷学校の講堂などが挙げられる。
- 令和6(2024)年3月、歴代琉球国王の肖像画である「頂相」が米国内で発見され、沖縄県に返還された。頂相は、明治維新の混乱期に全て失われ、その後国内での現存が確認されていなかったため、琉球文化研究史上の重要な発見となった。琉球王国は、18世紀に毛利氏によって征服され、その後江戸幕府から国王の代替わりごとに慶賀使を江戸へ送ることを求められた。
- 令和7(2025)年1月の大相撲初場所では、大関の力士が優勝し、同場所の終了後に横綱に昇進した。同場所までの3年間、横綱は番付上不在であり、新しく横綱が誕生するのは10年ぶりであった。江戸時代、相撲は人々の間で人気を博し、相撲絵と呼ばれる、相撲の様子を描いた浮世絵版画が制作された。出雲阿国や近松門左衛門は、大首絵の手法を駆使しながら、個性豊かな相撲絵を描いた。
- 令和7(2025)年1月、一穂ミチ氏が芥川賞を、九段理江氏が直木賞を受賞した。いずれの賞も純文学作品を選考対象としており、芥川賞は短編作品の中から、直木賞は長編作品の中から、一年に一度受賞作品が選ばれる。賞の名前となっている芥川龍之介は、幕末から明治時代にかけて活躍した作家であり、代表作に『こころ』などがある。

国家一般職の日本史の出題分析【2024年度から】
2024年度〜2026年度の時事の問題15問には、選択肢が75あります。選択肢の後半の科目で分けると、日本史が11肢で1位でした。2位は生物と文学・芸術の8肢です。
11肢のうち4肢は正答の選択肢で、日本史を知っていれば正答を選べた問題もあります。

日本史が出たニュースと時代
| 年度 | 問題 | 問題のテーマ | つなぐ言葉 | 時代 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年度 | No.27 | 我が国の文化など | 古墳時代 | ~飛鳥時代 |
| 2025年度 | No.27 | 我が国の文化など | 江戸期の国宝建造物 | 江戸 |
| 2025年度 | No.27 | 我が国の文化など | 琉球王国 | 江戸 |
| 2024年度 | No.26 | 労働をめぐる動向など | 工場法 | 明治 |
| 2024年度 | No.26 | 労働をめぐる動向など | 医学の歴史 | 江戸 |
| 2024年度 | No.26 | 労働をめぐる動向など | 女性運動の歴史 | 明治 |
| 2024年度 | No.27 | 各種の会議やイベントなど | 厳島神社 | 通史 |
| 2024年度 | No.27 | 各種の会議やイベントなど | 沖縄 | 通史 |
| 2024年度 | No.27 | 各種の会議やイベントなど | 日本万国博覧会 | 戦後史 |
| 2024年度 | No.28 | 原子力をめぐる動きなど | 原爆投下 | 大正・昭和 |
| 2024年度 | No.29 | 我が国の社会情勢など | 成金 | 大正・昭和 |
表の時代の列の「通史」は、複数の時代にまたがる選択肢です。時代では江戸が3肢で最も多く、11肢のうち8肢が江戸時代以降の出来事です。
ニュースのテーマは労働・文化・会議などで、毎年変わります。
年度別の日本史の選択肢
2024年度は8肢、2025年度は3肢、2026年度は日本史が中心の選択肢がなく、年度によって数が大きく変わります。
ただし2026年度も、歌舞伎の歴史や三筆・三蹟など、文化史にふれる選択肢が2つ出ています。年度で数が変わるため、文化史まで含めて準備しておきましょう。
国家一般職の日本史の勉強方法・対策の優先順位
出た選択肢の多くが江戸時代以降なので、まず江戸から昭和までの流れを押さえるのが効率的です。
続けて、建築・絵画・芸能などの文化史を押さえます。文化史は、科目別で2位の文学・芸術の選択肢とも重なります。
- ステップ1 江戸から昭和までの出来事と人物を、時代の流れで覚えます
- ステップ2 建築・絵画・芸能などの文化史を、作品と人物の組み合わせで押さえます
- ステップ3 国家一般職の時事の過去問を解き、ニュースから歴史へのつなぎ方に慣れます

国家一般職の日本史のおすすめ教材
最後に、日本史の対策に使える公務員のライトの教材を2つ紹介します。

公務員のライトの一般知識講座

[一般知識・時事・文章理解]フルパックの特徴
教養試験の一般知識まわりをこの1つにまとめたフルパックです。文章理解4回・社会科学25回・人文科学9回・自然科学11回・時事対策11回・情報対策4回に、過去問対策7回が付きます。
科目ごとに教材を買い集める必要がなく、教養対策をこれ1つで完結できます。
「何から手をつければいいかわからない」「科目が多すぎて手が回らない」という方に最適な講座です。
日本史は一般知識の科目の1つなので、一般知識の単科講座でまとめて対策できます。
過去問アプリ
公務員のライトのアプリでは、厳選した過去問を解説付きで解けます。無料で使えるので、スキマ時間に問われ方に慣れるのに向いています。
▶ App Storeでダウンロード ▶ Google Playでダウンロード
まとめ
- 国家一般職は2024年度から日本史だけの問題がなくなり、時事の5題(No.25〜No.29)の選択肢の中で出ます
- 2024年度〜2026年度の時事の選択肢75のうち、日本史は11肢で科目別の1位です
- ニュースの後半に歴史が続く形で、江戸時代以降の出来事と文化史がよく出ます
- 対策は江戸から昭和までの流れ→文化史→時事の過去問の順で仕上げます
日本史は、形を変えて出題が続いている科目です。ニュースと歴史をセットで、着実に積み上げていきましょう。

【参考データ】2023年度までの国家一般職の日本史
| 年度 | テーマ | 時代 |
|---|---|---|
| 2023年度 | 明治・大正の内閣 | 通史 |
| 2022年度 | 江戸時代の産業 | 江戸 |
| 2021年度 | 武士の戦いと征夷大将軍 | 通史 |
| 2020年度 | 桃山から明治の外交 | 通史 |
| 2019年度 | 第一次・第二次世界大戦間の経済 | 大正・昭和 |
| 2018年度 | 明治・大正期の文学 | 通史 |
| 2017年度 | 20世紀前半の政治・外交 | 大正・昭和 |
| 2016年度 | 江戸幕府の政策の年代順 | 江戸 |
| 2015年度 | 教育の歴史 | 通史 |
| 2014年度 | 一揆・反乱 | 通史 |
2023年度までは毎年No.34で1問、日本史だけの問題が出ていました。10問のうち6問が、複数の時代をまとめて問う通史の問題です。
いまの試験とは問われ方が違うため、参考として載せています。


[一般知識・時事・文章理解]フルパックの特徴
教養試験の一般知識まわりをこの1つにまとめたフルパックです。文章理解4回・社会科学25回・人文科学9回・自然科学11回・時事対策11回・情報対策4回に、過去問対策7回が付きます。
科目ごとに教材を買い集める必要がなく、教養対策をこれ1つで完結できます。
「何から手をつければいいかわからない」「科目が多すぎて手が回らない」という方に最適な講座です。
※ 画像「国家一般職の日本史の出題数」の題数は、人事院「基礎能力試験の見直し」と2026年度の受験案内によります。時事がNo.25〜No.29、情報がNo.30であることは、2024年度〜2026年度の問題冊子で確かめています。
※ 画像「国家一般職の時事で多い科目」「年度別の日本史の選択肢」と、表「日本史が出たニュースと時代」は、2024年度〜2026年度の国家一般職の基礎能力試験No.25〜No.29(時事の問題)の選択肢を、後半で問われる知識の科目で分けて数えたものです。1つの選択肢が複数の科目にふれるときは、中心の科目で数えています。時代は、複数の時代にまたがるものを「通史」としています。画像「年度別の日本史の選択肢」の「日本史にもふれる肢」は、中心の科目は文学・芸術などで、日本史にもふれる選択肢です。
※ 画像「国家一般職の日本史の勉強法」の棒の数は、2024年度〜2026年度の時事の選択肢のうち日本史が中心の11肢を、古代(~飛鳥時代、奈良・平安)・中世(鎌倉、室町・安土桃山)・近世(江戸)・近代(明治、大正・昭和の戦前まで)・現代(戦後)と通史(複数の時代にまたがるもの)に分けた数です。
※ 【参考データ】の表は、2014年度〜2023年度の本試験の日本史の問題を、公務員のライトの9つの時代で分けたものです。
※ 例題は2024年度・2025年度 国家一般職(大卒程度)基礎能力試験 No.27です。正答は人事院が公表した試験問題の正答番号表によります。
※ 出典:人事院「基礎能力試験の見直し」/人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」/人事院の本試験問題(国家一般職、2014年度〜2026年度)/分類・集計は公務員のライト調べ












