こんにちは。公務員のライト専任講師の横溝です。
受験生から「東京都Ⅰ類Bの日本史は、どの時代から勉強すればよいのか」という問い合わせが多くあります。
そこでこの記事では、過去10年分の本試験の問題をもとに、東京都Ⅰ類Bの日本史で江戸が最も多く出ることと、対策の優先順位まで徹底解説していきます。
この記事を書いた人

公務員のライト専任講師
よこみぞ先生(横溝涼)
東京都Ⅰ類Bの日本史の出題数
東京都Ⅰ類Bは、東京都の大学卒業程度の職員採用試験です。この記事では、行政(一般方式)の教養試験で見ていきます。
一般方式の教養試験では全部で40問が出題され、そのうち日本史は1問(No.26)です。
40問すべてを2時間10分で解く形式なので、日本史の1問も必ず解く問題です。人文科学の4問(No.25〜No.28)のうち、2問目が日本史です。
この記事では、2017年度〜2026年度の10年分の本試験の問題で見ていきます。
先に結論を言うと、時代の流れをつかんだら、江戸幕府の政策と占領期の改革を深め、各時代の文化を押さえるのが近道です。
- 東京都Ⅰ類Bの日本史の特徴と問われ方(例題つき)
- 過去10年の出題分析(よく出る時代のランキング)
- 勉強方法・対策の優先順位とおすすめ教材

東京都Ⅰ類Bの日本史の特徴・問われ方
日本史の問題には、地方上級などで問われる「一般的な日本史の問題」と、国家公務員(大卒程度)の基礎能力(教養)試験で問われる「時事と日本史の複合問題」の2パターンがあります。東京都Ⅰ類Bの日本史は、一般的な日本史の問題です。
1つの時代やテーマについて5つの選択肢から妥当なものを1つ選ぶ形で、10年すべてがこの形でした。組合せの形は出ていません。
テーマは、「化政文化」「鎌倉仏教」のような文化の問題と、「江戸幕府の政策」「大正時代」のような政治の問題が、10年で5問ずつと半々です。
誤りは、人物と政策、作者と作品の組み合わせの入れ替えが中心で、年号・数字・場所を変えたものも混ざります。

東京都Ⅰ類Bの日本史の例題
実際の過去問で、問われ方を確かめてみましょう。選択肢の3〜5と正答・解説は、折りたたみを開くと見られます。
- 尾崎行雄、犬養毅らによる第二次護憲運動が起き、西園寺公望内閣は総辞職に追い込まれた。
- シベリア出兵のための米の投機的買占めが横行して米価が急騰すると、米の安売りを求める米騒動が、東京で発生した後、全国の都市労働者へ広がった。
▼ 選択肢3〜5と正答・解説を見る(タップで開きます)
- 立憲改進党総裁の原敬を首相とした本格的な政党内閣が誕生し、小選挙区制を採用して総選挙に圧勝したが、原敬内閣では、シーメンス事件などの汚職事件が相次いだ。
- 加藤高明内閣は、25歳以上の男性に与えられていた選挙権における納税資格を3円以上に引き下げて選挙権の拡大を図った一方で、労働者階級の政治的影響力の増大に備えて治安維持法を成立させた。
- 第一次世界大戦中、日本はかつてない経済発展を遂げ、政府は財政危機から脱却し、輸出は活発になった。
▼ ほかの例題を見る(2023年度)(タップで開きます)
- 徳川家康は、武家諸法度を発布し、大名に3年おきに国元と江戸とを往復させる参勤交代を義務づける制度を定めることにより、将軍の権威強化を図った。
- 徳川綱吉は、百姓の江戸出稼ぎを禁じ、江戸に流入した居住者を強制的に農村へ帰らせる人返しの法を出した。
- 徳川吉宗は、評定所に目安箱を設けて庶民の意見を聞くとともに、公事方御定書を制定して裁判や刑罰の基準を定めた。
- 田沼意次は、困窮する武士を救済するため棄捐令を出し、各地に米や雑穀を蓄える社倉・義倉を設けさせた。
- 松平定信は、陽明学を正学としてそれ以外の学問を禁じ、小石川の学問所に中江藤樹らを儒官として迎えて陽明学の講義をさせた。

東京都Ⅰ類Bの日本史の出題分析【過去10年】
この記事では、日本史の問題を9つの時代に分けて数えています。複数の時代をまとめて問う問題は「通史」です。
10年間の10問を時代で分けると、1位は「江戸」の3問で、全体の30.0%を占めます。2位は「戦後史」の2問です。
残る5問は、奈良・平安、鎌倉、室町・安土桃山、明治、大正・昭和から1問ずつです。10問全体では7つの時代から出ていて、「~飛鳥時代」と「通史」の問題は、10年で1問も出ていません。
江戸
江戸(10年で3問)の出題ポイントは、次の3つです。
- 江戸幕府の政治と、江戸時代の文化を扱う時代です
- 2017年度は江戸時代初期の幕府の統治、2023年度は江戸幕府の政策(徳川家康〜松平定信)がテーマでした
- 2024年度は化政文化(人情本・読本・俳諧・錦絵)が出ています
江戸は、徳川家康・家光・綱吉・吉宗・田沼意次・松平定信・水野忠邦と、将軍や老中ごとの政策を順番に並べて覚えます。文化は、元禄文化と化政文化の作者と作品をセットで押さえます。
戦後史
戦後史(10年で2問)の出題ポイントは、次の3つです。
- GHQの占領期から現代までの政治・経済・外交を扱う時代です
- 2020年度と2025年度の2問とも、第二次世界大戦直後の占領期の改革がテーマでした
- 財閥解体・農地改革・日本国憲法・教育基本法・労働三法などが選択肢に並びます
戦後史は、占領期の改革を政治・経済・教育の分野ごとに整理しておくと、同じテーマがくり返し出ても対応できます。
そのほかの時代
そのほかの時代(10年で1問ずつ)の出題ポイントは、次の3つです。
- 奈良・平安は2019年度の奈良時代の文化、鎌倉は2022年度の鎌倉仏教、室町・安土桃山は2018年度の室町時代の文化でした
- 明治は2021年度の明治時代の教育・文化、大正・昭和は2026年度の大正時代がテーマです
- 5問のうち4問が文化の問題で、各時代の文化史がよく問われます
奈良から明治までの文化は、作品と作者、建物と時代の組み合わせで覚えます。

東京都Ⅰ類Bの日本史の年度別のテーマ
直近6年では、2023年度・2024年度の2年続けて江戸の問題でした。2026年度は大正時代、2025年度は第二次世界大戦後の日本、2022年度は鎌倉仏教、2021年度は明治時代の教育・文化がテーマです。
直近6年も政治の問題と文化の問題が3問ずつで、同じ時代が続けて出る年もあります。直近の年度に出た時代も外さずに準備しておきましょう。
東京都Ⅰ類Bの日本史の時代別の出題数
| 時代 | 10年合計 | 2026 | 2025 | 2024 | 2023 | 2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ~飛鳥時代 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 奈良・平安 | 1 | - | - | - | - | - | - | - | 1 | - | - |
| 鎌倉 | 1 | - | - | - | - | 1 | - | - | - | - | - |
| 室町・安土桃山 | 1 | - | - | - | - | - | - | - | - | 1 | - |
| 江戸 | 3 | - | - | 1 | 1 | - | - | - | - | - | 1 |
| 明治 | 1 | - | - | - | - | - | 1 | - | - | - | - |
| 大正・昭和 | 1 | 1 | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 戦後史 | 2 | - | 1 | - | - | - | - | 1 | - | - | - |
| 通史 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
9つの時代のうち7つの時代から出題があり、出ていないのは「~飛鳥時代」と「通史」だけです。
表は横にスクロールすると、2017年度までさかのぼって見られます。
東京都Ⅰ類Bの日本史の勉強方法・対策の優先順位
東京都Ⅰ類Bの日本史は7つの時代から出るので、まず時代の流れをつかんでから、10問中3問を占める江戸を深めるのが効率的です。
続けて戦後の占領期の改革まで仕上げると、10問中5問をカバーできます。そのほかの時代は、文化史を中心に押さえましょう。
- ステップ1 奈良から戦後までの時代の流れを、通して押さえます
- ステップ2 江戸幕府の政策と占領期の改革を深め、各時代の文化を作者と作品のセットで押さえます
- ステップ3 東京都Ⅰ類Bの過去問を解き、人物・政策・作品の組み合わせの誤りを見抜く練習をします

東京都Ⅰ類Bの日本史のおすすめ教材
最後に、日本史の対策に使える公務員のライトの教材を2つ紹介します。

公務員のライトの一般知識講座

[一般知識・時事・文章理解]フルパックの特徴
教養試験の一般知識まわりをこの1つにまとめたフルパックです。文章理解4回・社会科学25回・人文科学9回・自然科学11回・時事対策11回・情報対策4回に、過去問対策7回が付きます。
科目ごとに教材を買い集める必要がなく、教養対策をこれ1つで完結できます。
「何から手をつければいいかわからない」「科目が多すぎて手が回らない」という方に最適な講座です。
日本史は一般知識の科目の1つなので、一般知識の単科講座でまとめて対策できます。
過去問アプリ
公務員のライトのアプリでは、厳選した過去問を解説付きで解けます。無料で使えるので、スキマ時間に問われ方に慣れるのに向いています。
▶ App Storeでダウンロード ▶ Google Playでダウンロード
まとめ
- 東京都Ⅰ類B(一般方式)の教養試験では、日本史は毎年1問(No.26)で、40問すべてを解く問題の1つです
- 2017年度〜2026年度の10問のうち、江戸が3問で最も多く、戦後史が2問で続きます
- 1つの時代やテーマを問う形で、政治の問題と文化の問題が半々です
- 対策は時代の流れ→江戸と占領期の改革→過去問の順で仕上げます
日本史は、出る時代に偏りがある科目です。江戸から、着実に積み上げていきましょう。


[一般知識・時事・文章理解]フルパックの特徴
教養試験の一般知識まわりをこの1つにまとめたフルパックです。文章理解4回・社会科学25回・人文科学9回・自然科学11回・時事対策11回・情報対策4回に、過去問対策7回が付きます。
科目ごとに教材を買い集める必要がなく、教養対策をこれ1つで完結できます。
「何から手をつければいいかわからない」「科目が多すぎて手が回らない」という方に最適な講座です。
※ 画像「東京都の日本史の出題数」は、2026年度の教養試験(一般方式)の問題冊子の表紙と問題の並びによります。分野の名前は公務員のライトの分け方で、人文科学の1問目(No.25)は年度によって思想・文学・文化などから出ます。
※ 画像「東京都でよく出る時代」「東京都の年度別のテーマ」と表「東京都Ⅰ類Bの日本史の時代別の出題数」は、2017年度〜2026年度の東京都Ⅰ類B(一般方式・行政)の教養試験の日本史の問題(No.26)を、公務員のライトの9つの時代で分けて数えたものです。2014年度〜2016年度は資料を確認できておらず、2013年度以前は試験の形(解答時間など)が違うため含めていません。分野の「政治」は政治・政策・改革や経済・社会の出来事、「文化」は文化・教育・宗教の問題です。
※ 画像「東京都の日本史の勉強法」の棒の数は、2017年度〜2026年度の10問を、古代(奈良・平安)・中世(鎌倉、室町・安土桃山)・江戸・近代(明治、大正・昭和の戦前まで)・戦後に分けた数です(~飛鳥時代と通史は0問)。
※ 例題は2026年度・2023年度 東京都Ⅰ類B(一般方式・行政)教養試験 No.26です。正答は東京都人事委員会が公表した正答によります。2023年度の例題のふりがなは省いています。
※ 出典:東京都人事委員会の本試験問題(東京都Ⅰ類B・一般方式、2017年度〜2026年度)・正答(2023年度・2026年度)/分類・集計は公務員のライト調べ













