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【特別区Ⅰ類】日本史の出題分析・頻出分野と勉強方法

特別区Ⅰ類の日本史出題分析。9分類と頻出分野を徹底分析

こんにちは。公務員のライト専任講師の横溝です。

受験生から「特別区Ⅰ類の日本史は、どの時代から勉強すればよいのか」という問い合わせが多くあります。

そこでこの記事では、過去12年分の本試験の問題をもとに、特別区Ⅰ類の日本史で室町・安土桃山が最も多く出ることと、対策の優先順位まで徹底解説していきます。

この記事を書いた人

公務員のライト専任講師

よこみぞ先生(横溝涼)

  • 「論文・作文本」など3冊の執筆に携わり、Amazonベストセラー1位を獲得。

特別区Ⅰ類の日本史の出題数

特別区Ⅰ類の日本史の出題数(教養試験48問のうち日本史は1問・No.29〜No.48の20問から12問を選ぶ)

特別区Ⅰ類は、東京23区の大学卒業程度の職員採用試験です。その事務の教養試験では全部で48問が出題され、そのうち日本史は1問(No.34)です。

No.1〜No.28の28問は必須で、No.29〜No.48の20問から12問を選んで解く形式です。解答する40問を2時間で解きます。日本史は、選んで解く問題の1つです。

特別区人事委員会は2026年度も出題の分野・数・時間を変えないとしているため、この記事では2025年度までの12年分の本試験の問題で見ていきます。

先に結論を言うと、時代の流れをつかんだら、出題の多い鎌倉・室町の仏教・政治・文化を深めるのが近道です。

  • 特別区Ⅰ類の日本史の特徴と問われ方(例題つき)
  • 過去12年の出題分析(よく出る時代のランキング)
  • 勉強方法・対策の優先順位とおすすめ教材
横溝先生
日本史は選んで解く問題です。どんな問題が出るのかを見てから、解く科目に入れるかを決めましょう。

特別区Ⅰ類の日本史の特徴・問われ方

日本史の問題には、地方上級などで問われる「一般的な日本史の問題」と、国家公務員(大卒程度)の基礎能力(教養)試験で問われる「時事と日本史の複合問題」の2パターンがあります。特別区Ⅰ類の日本史は、一般的な日本史の問題です。

1つのテーマについて5つの選択肢から妥当なものを1つ選ぶ形が中心で、12年のうち9年がこの形でした。

残る3年は組合せの形です。2019年度は宗派・開祖・著書・寺院の組合せ、2020年度は元禄文化の作者と作品の空欄、2025年度は記述A〜Dのうち妥当なものの組合せが問われました。

どの形でも、人物・作品・出来事の組み合わせを入れ替えて誤りが作られています。

横溝先生
1問で1つの時代を深く問うのが特別区の特徴です。テーマの時代を見たら、その時代の人物と作品を頭の中で並べてから選択肢を読みましょう。

特別区Ⅰ類の日本史の例題

実際の過去問で、問われ方を確かめてみましょう。選択肢の3〜5と正答・解説は、折りたたみを開くと見られます。

【例題】室町文化(2024年度 特別区Ⅰ類)
室町文化に関する記述として、妥当なのはどれか。
  1. 南北朝時代には、歴史書や軍記物が書かれたが、軍記物には、北畠親房が南朝の正統性を説いた「太平記」がある。
  2. 観世座の観阿弥・世阿弥父子は、将軍足利義満の保護を受けながら、猿楽能を完成させ、世阿弥は「風姿花伝」を著した。
▼ 選択肢3〜5と正答・解説を見る(タップで開きます)
  1. 茶の湯では、村田珠光が出て、茶室で心の静けさを求める闘茶が始まり、そののち千利休によって完成された。
  2. 御伽草子は、絵入りの短編物語で「一寸法師」や「浦島太郎」などがあり、宗祇が全国をめぐって普及に努めた。
  3. 足利義政が造営した慈照寺銀閣は、北山文化を代表する建物であり、書院造は和風住宅のもとになっている。
正答:2
観阿弥・世阿弥と『風姿花伝』についての記述が妥当です。
肢1の『太平記』は軍記物ですが、北畠親房が南朝の正統性を説いたのは歴史書の『神皇正統記』です。肢3の村田珠光が始めたのは侘び茶で、闘茶は茶の産地を飲み分けて競う遊びです。
肢4の宗祇は連歌師で、御伽草子の普及とは関係ありません。肢5の慈照寺銀閣は、東山文化を代表する建物です。
▼ ほかの例題を見る(2025年度)(タップで開きます)
【例題】鎌倉時代の仏教(2025年度 特別区Ⅰ類)
鎌倉時代の仏教に関するA~Dの記述のうち、妥当なものを選んだ組合せはどれか。
A 浄土宗の開祖である法然は、「選択本願念仏集」を著し、南無阿弥陀仏を唱えれば、極楽浄土に往生できるという専修念仏の教えを説いた。
B 浄土真宗の開祖である親鸞は、「教行信証」を著し、煩悩の深い人間こそが、阿弥陀仏の救いの対象であると説いた。
C 時宗の開祖である一遍は、「興禅護国論」を著し、諸国を遊行し、踊念仏によって布教した。
D 臨済宗の開祖である栄西は、「立正安国論」を著し、坐禅による自力の修行で、悟りが開けると説いた。
  1. A B
  2. A C
  3. A D
  4. B C
  5. B D
正答:1
AとBが妥当です。
Cの『興禅護国論』は栄西の著作で、Dの『立正安国論』は日蓮の著作です。開祖と著作の組み合わせを入れ替える形は、鎌倉仏教の定番です。
横溝先生
組合せの問題は、確実に正しい記述と誤りの記述を1つずつ決めて、選択肢を絞り込むのが基本の解き方です。

特別区Ⅰ類の日本史の出題分析【過去12年】

特別区Ⅰ類でよく出る時代(1位 室町・安土桃山4問・2位 鎌倉と大正・昭和2問)

この記事では、日本史の問題を9つの時代に分けて数えています。複数の時代をまとめて問う問題は「通史」です。

12年間の12問を時代で分けると、1位は「室町・安土桃山」の4問で、全体の33.3%を占めます。2位は「鎌倉」と「大正・昭和」の2問ずつです。

上位3つの時代で8問と、全体の3分の2になります。一方で、「~飛鳥時代」と「戦後史」だけを問う問題は、12年で1問も出ていません。

室町・安土桃山

室町・安土桃山(12年で4問)の出題ポイントは、次の3つです。

  • 室町幕府の仕組み・織豊政権・室町文化を扱う時代です
  • 室町幕府は2015年度と2022年度の2回出ています
  • 2017年度は織豊政権、2024年度は室町文化がテーマでした

室町幕府では、足利尊氏・足利義満などの将軍と、管領・守護などの役職の組み合わせが問われます。織豊政権では、織田信長・豊臣秀吉の戦いや政策を年代順に押さえます。

鎌倉

鎌倉(12年で2問)の出題ポイントは、次の3つです。

  • 2019年度と2025年度に、鎌倉時代の仏教が2回出ています
  • 宗派・開祖・著作の組み合わせが問われます
  • 2019年度は、中心寺院も含めた組合せの形でした

鎌倉仏教は、法然・親鸞・一遍・栄西・道元・日蓮を、宗派と著作のセットで覚えます。同じテーマがくり返し出ているので、必ず押さえておきましょう。

大正・昭和

大正・昭和(12年で2問)の出題ポイントは、次の3つです。

  • 2016年度は金融恐慌・昭和恐慌、2018年度は護憲運動がテーマでした
  • 内閣と、その内閣のときの出来事の組み合わせが問われます
  • 加藤高明・若槻礼次郎など、首相の名前が選択肢に並びます

大正・昭和は、内閣の順番に出来事を並べた年表を作ると整理しやすくなります。

横溝先生
上位3つの時代は、人物と出来事の組み合わせで問われます。人物ごとに何をしたかを一言で言えるようにしておくと、本番で選択肢を見分けやすくなります。

特別区Ⅰ類の日本史の年度別のテーマ

特別区Ⅰ類の年度別のテーマ(直近6年・2025年度 鎌倉仏教・2024年度 室町文化・2022年度 室町幕府など)

直近6年では、2022年度・2024年度・2025年度の3回が鎌倉・室町の問題でした。2023年度は国風文化(平安)、2021年度は日清戦争・日露戦争、2020年度は元禄文化がテーマです。

テーマは年ごとに変わり、政治と文化の両方から出ています。直近の年度に出た時代も外さずに準備しておきましょう。

特別区Ⅰ類の日本史の時代別の出題数

時代 12年合計 2025 2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014
~飛鳥時代 - - - - - - - - - - - - -
奈良・平安 1 - - 1 - - - - - - - - -
鎌倉 2 1 - - - - - 1 - - - - -
室町・安土桃山 4 - 1 - 1 - - - - 1 - 1 -
江戸 1 - - - - - 1 - - - - - -
明治 1 - - - - 1 - - - - - - -
大正・昭和 2 - - - - - - - 1 - 1 - -
戦後史 - - - - - - - - - - - - -
通史 1 - - - - - - - - - - - 1

9つの時代のうち7つの時代から出題があり、出ていないのは「~飛鳥時代」と「戦後史」だけです。

表は横にスクロールすると、2014年度までさかのぼって見られます。

特別区Ⅰ類の日本史の勉強方法・対策の優先順位

特別区Ⅰ類の日本史の勉強法(ステップ1 時代の流れをつかむ・ステップ2 鎌倉・室町を深める・ステップ3 過去問で仕上げる)

特別区の日本史は1問で1つの時代を深く問うので、まず時代の流れをつかんでから、12問中6問を占める鎌倉・室町を深めるのが効率的です。

続けて大正・昭和まで仕上げると、12問中8問をカバーできます。

  • ステップ1 飛鳥から戦後までの時代の流れを、通して押さえます
  • ステップ2 鎌倉・室町の仏教・幕府・文化を、人物と結びつけて深めます
  • ステップ3 特別区Ⅰ類の過去問を解き、組合せや正誤の選び方に慣れます
横溝先生
時間がない人は、時代の流れをざっと押さえたら、すぐに鎌倉・室町に進みましょう。仏教の宗派と開祖は、表にして覚えると忘れにくくなります。

特別区Ⅰ類の日本史のおすすめ教材

最後に、日本史の対策に使える公務員のライトの教材を2つ紹介します。

横溝先生
講座で全体を押さえ、アプリで過去問に慣れる組み合わせがおすすめです。

公務員のライトの一般知識講座

一般知識・時事・文章理解フルパック

[一般知識・時事・文章理解]フルパックの特徴
教養試験の一般知識まわりをこの1つにまとめたフルパックです。文章理解4回・社会科学25回・人文科学9回・自然科学11回・時事対策11回・情報対策4回に、過去問対策7回が付きます。
科目ごとに教材を買い集める必要がなく、教養対策をこれ1つで完結できます。
「何から手をつければいいかわからない」「科目が多すぎて手が回らない」という方に最適な講座です。

日本史は一般知識の科目の1つなので、一般知識の単科講座でまとめて対策できます。

過去問アプリ

公務員のライトのアプリでは、厳選した過去問を解説付きで解けます。無料で使えるので、スキマ時間に問われ方に慣れるのに向いています。

▶ App Storeでダウンロード ▶ Google Playでダウンロード

まとめ

  • 特別区Ⅰ類の教養試験では、日本史は毎年1問(2016年度からはNo.34)で、20問から12問を選ぶ問題の1つです
  • 2014年度〜2025年度の12問のうち、室町・安土桃山が4問で最も多く出ています
  • 1つの時代を1問で深く問う形で、人物・作品・出来事の組み合わせが入れ替えられます
  • 対策は時代の流れ→鎌倉・室町→過去問の順で仕上げます

日本史は、出る時代に偏りがある科目です。鎌倉・室町から、着実に積み上げていきましょう。

▶ 日本史の出題分析(主要6試験のまとめ)はこちら

横溝先生
ほかの試験の傾向は、主要6試験のまとめページで見比べられます。
一般知識・時事・文章理解フルパック

[一般知識・時事・文章理解]フルパックの特徴
教養試験の一般知識まわりをこの1つにまとめたフルパックです。文章理解4回・社会科学25回・人文科学9回・自然科学11回・時事対策11回・情報対策4回に、過去問対策7回が付きます。
科目ごとに教材を買い集める必要がなく、教養対策をこれ1つで完結できます。
「何から手をつければいいかわからない」「科目が多すぎて手が回らない」という方に最適な講座です。

※ 画像「特別区Ⅰ類の日本史の出題数」は、2025年度の教養試験(事務)の問題冊子の表紙と問題の並びによります。分野の名前は公務員のライトの分け方です。日本史の問題番号は、2014年度・2015年度がNo.30、2016年度からはNo.34です。

※ 画像「特別区Ⅰ類でよく出る時代」「特別区Ⅰ類の年度別のテーマ」と表「特別区Ⅰ類の日本史の時代別の出題数」は、2014年度〜2025年度の本試験の日本史の問題を、公務員のライトの9つの時代で分けて数えたものです。複数の時代をまとめて問う問題は「通史」としています。

※ 画像「特別区Ⅰ類の日本史の勉強法」の棒の数は、2014年度〜2025年度の12問を、古代(~飛鳥時代、奈良・平安)・鎌倉・室町(室町・安土桃山)・江戸・近代(明治、大正・昭和の戦前まで)・通史(複数の時代にまたがるもの)に分けた数です(戦後は0問)。

※ 特別区人事委員会は、2026年度から教養試験の問題の公表を取りやめ、出題の分野・数・時間は変えないとしています。

※ 例題は2024年度・2025年度 特別区Ⅰ類(春・事務)教養試験 No.34です。正答は特別区人事委員会が公表した正答表によります。

※ 出典:特別区人事委員会の本試験問題・正答表(2014年度〜2025年度)/特別区人事委員会「特別区職員採用試験・選考における教養試験問題の取り扱いの変更について」(2025年10月29日)/分類・集計は公務員のライト調べ