こんにちは。公務員のライト専任講師のましゅーです。
2026年7月10日に、東京都から2026年度の職員採用試験の実施状況が公表されました。Ⅰ類B(一般方式)行政の最終倍率は2.05倍です。
そこでこの記事では、筆記倍率1.17倍という数字の意味から、新方式との倍率差や給与まで解説します。
この記事を書いた人

公務員のライト専任講師
ましゅー先生(望月真修)
都庁Ⅰ類B(一般方式・行政)の倍率推移【2023〜2026年度】
※ Ⅰ類B(一般方式)行政の数値です。最終倍率=第1次試験受験者数÷最終合格者数で、東京都が公表している倍率と同じ算式です(第2次試験の辞退者は加味していません)(東京都はこれを小数第1位まで丸めて公表しています)。なお2026年度の第1次試験合格者数は、東京都人事委員会の「試験選考実施状況」が2026年8月25日時点で令和7年度分までしか公表されていないため掲載していません。
最終倍率は、2024年度の1.52倍を底にして、2026年度は2.05倍まで戻りました。4年間は1.5倍台から2.4倍台の間で動いています。

2026年度の実施状況
採用予定者数500人に対して、第1次試験を1,577人が受験し、769人が最終合格しました。
最終合格者数は採用予定者数を上回っています。ただし最終合格の後にも採用面談があるため、合格がそのまま採用を意味するわけではありません。
東京都が公表する倍率の見方
東京都が公表している倍率は、第1次試験受験者数÷最終合格者数で計算されています。
申込者数の2,381人で計算すると3.10倍になりますが、申込んだ人の中には受験しなかった人も含まれるため、実際の競争率より高く見えてしまいます。
都庁Ⅰ類Bの筆記試験を通過できる割合
※ Ⅰ類B(一般方式)行政の数値です。筆記倍率=第1次試験受験者数÷第1次試験合格者数、筆記の合格率=第1次試験合格者数÷第1次試験受験者数で算出しています/※ 2026年度の第1次試験合格者数は公務員試験情報サイトの掲載値です。東京都は第1次試験合格者の受験番号を発表日から1週間程度のみ掲載する運用で、当時のページを現在確認できないため参考値として扱っています(2023〜2025年度は東京都人事委員会「試験選考実施状況」の公表値)。
筆記倍率は3年続けて1.1倍台で、第1次試験の通過率は85%を超えています。

筆記の通過率と最終倍率の差
2026年度は、第1次試験に1,577人が受験して1,344人が通過しました。それでも最終合格は769人で、最終倍率は2.05倍です。
数字のうえで受験生が最も削られるのは筆記ではなく、第2次試験の個別面接です。
筆記倍率が低くても対策が要る理由
東京都の試験案内には、教養試験の成績が一定基準に達しない場合は論文および専門試験が採点されないと明記されています。
筆記倍率は「受けた人のうち何人が通ったか」であり、準備なしで受けた人が同じ確率で通るという意味ではありません。
一般方式と新方式で倍率が分かれる理由

同じⅠ類Bの行政でも、2026年度の最終倍率は一般方式が2.05倍、新方式が6.12倍と、約3倍の差があります。

新方式の倍率が上がった理由
東京都は2025年度から、新方式の第1次試験をテストセンター方式(全国の会場またはオンラインから試験日を選んで受ける方式のことです)に変更しました。
東京都はこの年、新方式の受験者数が前年比3.7倍に増えたと公表しています。ここでいったん受験者の母集団が大きく広がりました。
2026年度はさらに倍率が上がりました。受験者数は1,847人から1,958人への微増にとどまる一方、最終合格者数が410人から320人へ減っています。
方式による試験内容の違い
※ 2026年度のⅠ類B行政の数値です。採用後の職務内容・配属・給与・昇任の取扱いに、方式による違いはないと東京都が明記しています。
一般方式は筆記の負担が大きく、新方式は面接の比重が大きい試験です。一般方式と新方式は同じ年度に併願できないため、どちらで受けるかを早めに決める必要があります。ただし一般方式で最終合格しなかった場合は、次に紹介する新方式・第2回に申し込めます。
2026年度に実施される新方式・第2回
東京都は2026年8月20日に、新方式の第2回を実施すると公表しました。行政の採用予定者数は105人です。
受験資格は1997年4月2日から2006年4月1日までに生まれた方で、第1回より1歳分広く設定されました。大学3年生に相当する年齢からでも受験できる枠です。

都庁Ⅰ類Bの受験資格と試験日程
受験できる年齢と学歴
2026年度のⅠ類B行政は、1997年4月2日から2005年4月1日までに生まれた方が対象でした。東京都の案内では、22歳から29歳の方を対象とした試験と説明されています。
学歴の条件はありません。ただし2005年4月2日以降に生まれた方は、大学(短期大学は除きます)を卒業しているか、2027年3月までに卒業見込みであることが必要です。

2026年度の試験日程
※ Ⅰ類B(一般方式)の日程です。第2次試験はこの期間のうち東京都が指定する1日に実施されます。
申込から最終合格まで、およそ5か月かかります。2027年度の日程は2026年8月25日の時点で公表されていません。
低倍率で生じやすい3つの誤解
- 倍率が2倍前後なら筆記対策は軽くて済む
- 第1次試験に通れば面接でほぼ決まる
- 最終合格すれば採用が確定する
都庁の試験には、倍率の数字だけでは見えない関門が段階ごとにあります。

教養試験の足切り
東京都の試験案内には、教養試験の成績が一定基準に達しない場合、論文と専門試験が採点されないと明記されています。
教養試験は五肢択一式で、40題すべてが必須解答です。試験時間は2時間10分で、選んで捨てるという戦い方ができません。
専門記述と論文
専門試験は択一式ではなく記述式で、憲法・行政法・民法など10科目から出題され、10題の中から3題を選んで解答します。試験時間は2時間です。
論文も第2次試験ではなく第1次試験で課され、1,000字以上1,500字程度を1時間30分で書き上げます。
最終合格と採用内定の違い
最終合格の発表後に、任命権者(都知事や公営企業管理者など、採用を決める側のことです)による採用面談があります。最終合格は内定ではありません。
最終合格者を記載した採用候補者名簿の有効期間は、行政の一般方式であれば3年間です。
一般方式で課される試験科目
教養試験の出題内訳
※ Ⅰ類B(一般方式)行政の五肢択一式です。40題すべてが必須解答です。
知能分野が24題で、全体の6割を占めます。数的処理と判断推理にかけた時間が、そのまま得点に響く配分です。

専門記述で選べる10科目
- 憲法
- 行政法
- 民法
- 経済学
- 財政学
- 政治学
- 行政学
- 社会学
- 会計学
- 経営学
この10題から3題を選んで解答するため、10科目すべてを同じ深さで仕上げる必要はありません。
ただし記述式なので、選択肢から選ぶことはできません。自分の言葉で書けるところまで仕上げる必要があります。
都庁職員の給与と待遇
※ 2026年4月1日現在の東京都公表値です。モデル年収には、時間外・住居・通勤・扶養の各手当は含まれていません/※ ボーナスは4月採用の初年度はおおむね3.55か月分です。
東京都のⅠ類Bの初任給は、地域手当を含めて月額290,400円です。

初任給の見方
東京都は、給料月額242,000円と、地域手当を加えた290,400円の両方を公表しています。
資料によって初任給の金額が違って見えるのは、基本給だけを示しているか、手当を含めているかの違いです。
モデル年収の注意点
25歳・係員のモデル年収490万8,000円は、東京都が示す標準的な例です。採用1年目の年収ではありません。
東京都は新規採用者の初年度年収を公表しておらず、このモデル年収にも住居手当などは含まれていません。ボーナスも4月採用の初年度はおおむね3.55か月分となるため、1年目の実額はモデル年収より低くなります。
都庁で働く環境
配属先の広さ
行政で採用されると、知事部局のほか、交通局、水道局、下水道局、行政委員会、学校などに配属されます。
配属先や職務内容によっては、交替制勤務や夜間勤務、島しょ勤務になることもあります。勤務時間は原則として週38時間45分、1日7時間45分です。

昇任の仕組み
東京都は、学歴等に関係なく、能力・業績主義に基づく選考によって昇任する仕組みだと明記しています。
Ⅰ類Bで採用された場合、採用後5年目から主任級職選考を受験できます。主任になって2年目からは、管理職選考を受験できます。
都庁が狙い目と言える人
- 専門科目を記述式まで仕上げられる人
- 大規模な行政の仕事に関わりたい人
- 特別区や地方上級との併願先を増やしたい人
- 学歴に関係なく昇任していきたい人
一般方式の行政には500人という採用規模があり、専門科目を学習してきた受験生ほど力を発揮しやすい試験です。

都庁を目指す方へ

専門記述と論文は、独学だと自分の答案が合格水準に届いているのかを判断しにくい部分です。
教養・専門記述・論文・面接を別々に考えず、試験全体から逆算して計画を立てることが大切です。

まとめ
- 2026年度のⅠ類B(一般方式)行政の最終倍率は2.05倍
- 新方式は6.12倍で、方式によって競争率が約3倍違う
- 2026年度の新方式は最終合格者数が410人から320人へ減り、最終倍率が6.12倍まで上昇
- 対象は22歳から29歳で、学歴の条件はない
- 教養試験は40題必須で足切りがあり、専門試験は記述式で10題中3題選択
- 初任給は地域手当を含めて月額290,400円
- 学歴等に関係なく、採用後5年目から主任級職選考を受験できる
都庁は倍率だけを見れば手が届く水準ですが、筆記から面接まで準備を積み重ねた人が合格をつかみやすい試験です。



どんな些細なことでも構いませんので、公務員試験や講座のことで、気になることがあれば、お気軽にご相談ください!
出典:東京都「令和8年度東京都職員Ⅰ類A、Ⅰ類B採用試験の実施状況について」、東京都「令和7年度東京都職員Ⅰ類A、Ⅰ類B採用試験の実施状況について」、東京都人事委員会「過去の試験選考実施状況」、東京都人事委員会「令和8年度東京都職員Ⅰ類B採用試験案内(一般方式)」、同「(新方式)」、東京都「令和8年度東京都職員1類B採用試験(新方式・第2回)の試験案内の公表について」、東京都「初任給一覧」、東京都「給与決定と算出の仕組み」、東京都職員採用「勤務条件」(いずれも2026年8月25日確認)















