こんにちは。公務員のライト専任講師のましゅーです。
受験生から「同じ公務員なのに、働く場所によって給料が違うのはなぜか」という問い合わせが多くあります。
そこでこの記事では、給料の差を生む地域手当の仕組みと勤務地ごとの差を、公表データに基づいて解説していきます。
この記事を書いた人

公務員のライト専任講師
ましゅー先生(望月真修)
地域手当とは
地域手当は、勤務地の民間の給料水準に合わせて、俸給(基本給)に0〜20%を上乗せする手当です。国家公務員の場合、割合は法律と人事院規則で地域ごとに決まっています。

地域手当が支給される理由
法律では、地域手当はその地域の民間の給料水準をもとに、物価なども考えて支給すると定められています。つまり、民間企業の給料が高い地域ほど、割合も高くなる仕組みです。
最も高い20%が付くのは東京23区です。全国に展開する企業の本社が多く、民間の給料水準が高いためです。
地域手当の計算方法
- 計算式:(俸給+扶養手当など)×支給割合
- 例:俸給232,000円で東京23区(20%)に勤務する場合
- 計算:232,000円×20%=46,400円
扶養手当がない新人職員なら、俸給に支給割合をかけた額がそのまま地域手当になります。1円未満は切り捨てです。
勤務地ごとの地域手当の支給割合
※ 2028年4月以降の国家公務員の区分です(2028年3月までは段階的に移行中)。※ 「◯◯県」は、表のほかの欄にある市を除いた県内の地域です。※ 20県は、支給地域が1つもない県です。
支給割合は、1級地20%から5級地4%までの5段階に分かれています。都道府県ごとに決めるのが基本で、県よりも民間の給料水準が高い市などは、県とは別に高い割合が決まります。

主要都市の支給割合
※ 国家公務員の支給割合です。2025年度から2027年度までは、見直し後の割合へ段階的に移行しています。2027年度は、2026年8月の人事院勧告で示された予定の割合です。※ 人事院は今後、より短い期間で地域手当を見直すとしているため、割合が変わることがあります。
2027年に試験を受けて2028年4月に採用される場合は、2028年4月以降の割合が目安になります。

2024年の見直しで変わった点
- 7段階(20〜3%)から、5段階(20・16・12・8・4%)に整理
- 市町村ごとの決め方から、都道府県ごとを基本にした決め方へ変更
- 2025年4月から段階的に移行し、2028年4月に見直しが完了
- 転勤で割合が下がったときの保障期間を、2年から3年に延長
2024年8月の人事院勧告をもとに見直されました。割合が下がる地域は1年に1ポイントずつ下がり、名古屋市は見直し前の15%から12%になります。一方で、仙台市のように6%から8%へ上がった都市もあります。
勤務地による給料の差
一般職(大卒程度)の初任給は、東京23区勤務なら月278,400円、地域手当のない地域なら232,000円です。同じ試験に合格しても、毎月46,400円の差がつきます。

支給割合ごとの初任給
※ 一般職(大卒程度)の初任給(行政職俸給表(一)1級25号俸・2026年4月1日時点の俸給232,000円)に、地域手当だけを加えた額です。扶養手当・住居手当・通勤手当などは含みません。※ 本府省(霞が関)に勤務する場合は、別に本府省業務調整手当が付きます。※ 2026年8月の人事院勧告どおりに初任給が引き上げられると、表の額と差は変わります。
支給割合が4ポイント違うだけでも、毎月9,280円の差になります。
ボーナスを含めた年間の差
- 比べる地域:東京23区(20%)と地域手当なしの地域
- 毎月の差:46,400円×12か月=556,800円
- ボーナスの差:46,400円×4.65月=215,760円
- 合計:772,560円(約77万円)
ボーナス(期末手当・勤勉手当)も、俸給と地域手当を合わせた額をもとに計算します。そのため、1年間では約77万円の差になります。16%の横浜市・大阪市でも約62万円、8%の福岡市などでも約31万円の差です。
※ 2026年10月時点のボーナスの年間支給月数(4.65月)で、1年間在職した場合を試算しています。採用1年目の6月のボーナスは在職期間に応じて減り、勤勉手当は人事評価によって変わります。

転勤で割合が下がったときの扱い
割合の高い地域から低い地域へ転勤しても、すぐには下がりません。1年目は前の割合、2年目はその80%、3年目は60%が保障されます。これを異動保障と呼びます。
たとえば、東京23区(20%)から8%の地域へ転勤した場合は、次のように少しずつ下がります。
- 1年目:20%
- 2年目:16%(20%×80%)
- 3年目:12%(20%×60%)
- 4年目から:8%
前の勤務地に6か月を超えて勤務していたことが条件です。
地方公務員の地域手当
※ 2026年度時点の各自治体の条例・規則などに基づきます。東京都の島しょ地域など、一部の地域は割合が異なります。
地方公務員の地域手当は、国の基準をもとに各自治体が条例や規則で決めています。そのため、同じ地域でも国と自治体で割合が違うことがあります。志望する自治体の割合は、給与条例や採用案内で確認しておきましょう。

志望先選びで考えること
地域手当の差は大きいものの、志望先は給料だけで決めず、仕事の内容や試験も合わせて考えることが大切です。転勤の範囲や、試験の日程・科目も比べておきましょう。
地域手当は、もともと民間の給料や物価が高い地域に支給される手当です。割合の高さだけで比べないようにしましょう。
国家一般職の勤務地の決まり方
国家一般職(大卒程度)の行政区分は、全国を9つの地域に分けた試験です。合格した地域にある機関に採用されるのが基本で、本府省へはどの地域からも採用されることがあります。
同じ関東甲信越地域でも、東京23区は20%、新潟県は見直し後に支給地域がなくなります。勤務先によって割合は変わります。

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まとめ
- 地域手当は、勤務地の民間の給料水準に合わせて、俸給に0〜20%を上乗せする手当です
- 2028年4月以降の国家公務員は、1級地20%から5級地4%までの5段階になります
- 一般職(大卒程度)の初任給は、東京23区なら月278,400円、地域手当のない地域なら232,000円です
- ボーナスにも差が出るため、1年間では約77万円の差になります(2026年10月時点の試算)
- 地方公務員の割合は、自治体ごとに条例や規則で決まっています
地域手当は、勤務地を考えるうえで知っておきたい仕組みです。受験生の皆さんは、給料だけでなく仕事や試験も含めて、自分に合う志望先を選びましょう。

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※ 出典:一般職の職員の給与に関する法律(第11条の3・第11条の7・第19条の4・第19条の7)/一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(2024年12月公布)附則/人事院規則九-四九(地域手当)(2026年4月1日施行)/人事院「2024年 報告文・勧告文」(2024年8月8日)/人事院「2026年 報告文・勧告文」(2026年8月7日)/人事院「2026年 給与勧告 参考資料」・「2026年 国家公務員給与等実態調査の結果概要」/人事院「国家公務員の諸手当の概要(2026年4月現在)」/人事院「2026年度 国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)受験案内」/総務省「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて」(2025年11月11日)/東京都「地域手当に関する規則」/大阪府「職員の給与に関する条例」/大阪市「職員の給与の状況」/横浜市「一般職職員の給与に関する条例」(いずれも2026年度時点)/公務員のライト調べ

















